まずは神聖な銀があるという国での出来事です。
彼の国には、美しい銀の瞳の、しかし隻眼の青年がおりました。
彼の本職は弓を用いた狼猟師でございましたが、剣の腕も並外れております。
ひとけも少ない辺鄙な土地で、一人猟を生業としていたのに、ひょんなきっかけで都へ出た彼は、数奇な運命に巻き込まれていくのです。
『月のしずく、日のしずく、まじりけなきまじりもの』
古の書物に記される、この謎を解き明かすのは彼の青年か、はたまた別の人物か。
それを見届ける前にわたくしめは立ち去らなければならず、謎は謎のままでございます。