もう…もう二度と。二度と、あんな醜態は晒さない。
晒すとすれば、それが僕の最期の時となろう。
君は、其処にいるのか?
[一瞬だけまた空を見上げて、すぐに目を伏せた]
僕の犯した最大の罪──君を、殺した事。
救わなくてはならなかったのに。助けなくてはならなかったのに。
目の前で、ぐったりと、大きな傷口からとめどなく血を流す君を。
僕は、仲間に叱責の怒声を浴びるまで、何もせずにただ見ていた。
…否。何もしていなかったのではない。
見惚れていたんだ。
鼻を突く鉄錆の臭いの中、視界を埋め尽くして行く綺麗な赫に…僕はただ、見惚れていた!この力で、助けなくてはならなかったのに!助けられたのに!聖職者である事を忘れ!ただぼんやりと見惚れていた!!
大切な友人である君を…僕は!見殺しにしたんだ!!
なぁ…頼む…頼むから、誰か、僕を…。