『うーん』 首をかしげた拳聖に、聖騎士は目をやる。『コイツ、昔からこんなアホだったかな…』 ちがうよ、と声には出さず聖騎士は笑う。――俺はアンタの『セルリック』じゃねぇから。 この男を殺せば、『セルリック』の未練は終わる。 これでやっと自分は、自由になれるのかもしれない。 だけど その男を食ってやるつもりなんて、狼には毛頭ない。――死ぬときは、一緒だ