「こんな夜中にどうしたの……」
突如として呼びかけられた声に、聖騎士はビクリと背を震わせる。
草木も眠る丑三つ時だ。人狼の件もある。誰も恐れて外を歩きはしない。闇に紛れて彷徨う姿に、疑問を覚えるのは当然だ。
「み、みのがせ」
動揺に震える声に、アルケミストは目を見開いた。恐怖に身体が震える。
「まさか、セルリック」
なんということだ。
「じんr」
人狼だったの、といいかけて、聖騎士がボトボトと落としたものに気がついた。
真っ赤な色に、血かと思った。しかしそれは。
「……した、ぎ?」
違う。
赤い何か、はロードナイトのマントだった。
そして、拳聖の着物。
クリエイターの上着。ハイプリーストのスラックス。
「……下着ドロ?」
「みのが、せ……」
その夜、下着泥棒は捕まった。